次女の帰国
6月3日、この日は次女が10か月のアメリカ留学を終えて帰国する日です。5月の中旬に授業が終わった後、ペルーで日本からの友達と合流し1週間ほど旅行した後、一人でペルー各地を旅行するんだと言って、親を相変わらずハラハラ心配させていました。何でも事後報告の娘です。けれど、旅先では頻繁にメールで報告してくれました。旅先のパソコンは日本語が使えないというので、その間、英文でのやりとり。私も多分間違いだらけの英文でメールを打ち、錆びついた英語に悪戦苦闘しながらも結構楽しみました。
無事ペルー旅行も終え、いよいよ帰国の日です。同じ日本国内にいれば、心配の度合も少なくなります。連絡が取りたい時は、いつでも携帯が使えるのです。
6月2日、この日は私は夜、仕事でした。予定ではそろそろ飛行機に乗っている頃です。出発前にメールを入れてくれたかもしれないと、仕事の合間に携帯をのぞきました。ところがその文面は…
「飛行機に乗り遅れました…」
というものでした。その時の私の心境は、不思議と怒りは湧いてきませんでした。やっぱりな…と。あの子のことだから、それもあり得る…と。うまく行けばキャンセル待ちの次の便にでも乗れて、せいぜい半日遅れで帰って来られるかな…と。
次に仕事の合間に覗いたメールには、「次のチケット無事取れました。なんと、30分遅れで成田に着けるみたい、ラッキー!」てな事が書かれてありました。ああそうか、良かった~、じゃあすぐ後の便で乗れたんだ。きっとこのメールはどこかトランジットの合間に打ってくれたに違いない。そう思って「じゃあもう飛行機の中かな…」とメールを返しました。
仕事が終わり、再びメールチェックをしてみると、
「いや、まだ飛行機には乗ってない。夕方6時ごろ経つ便の予定」
とあるではありませんか。夕方6時?? 最初の予定では朝の6時に経つことになっていたのです。12時間も遅れて出発するのに到着が30分しか遅れないなんて、そんな事あるわけないじゃないですか。なぜ娘はその事に疑問を抱かないのでしょう。私はそう返信しました。それで娘は「確かにそれはおかしい」と気づき、それから航空会社に連絡を取ったりして、係員のミスだとわかり、チケットを取り直すことになったのですが、結局1日遅れの同じ便、同じ時刻の到着ということになったのです。
それだけなら良かったのですが、実は、アメリカで同じ寮のルームメイトが、娘の帰国に合わせて韓国への旅の途中、日本に遊びに来ることになっていたのです。お友達の到着は娘の到着より30分ほど遅い便でした。二人で彼女の到着を待って、一緒に家に帰ることになっていたのです。
「どうすんのよー!!!!」
私はお友達の顔も到着便の便名も知りません。そしてそしてもう一つ重大な問題が!! そうです、英語です。お友達は日本語が全くわかりません。日本に来るのも初めて。そして私の英語は中学生どまりです。そのお友達を一晩、お世話しなければならないのです。そこから私の怒りがふつふつと湧いてきました。自分の娘とはいえ、あまりにも呑気、あまりにも無責任です。一人で成田に降り立つお友達も、唯一の知り合いである友達がいなくて、どんなに心細い思いをすることでしょう。とにかく、無事に成田でピックアップしなければなりません。「今すぐ彼女に連絡をとって、便名だけでも教えてもらってよ!!」
翌日、お友達到着の便は3時半の予定でした。午前中に夕飯の買い物を済ませます。何を食べてもらおう。ご飯でいいのかな、パンも用意した方がいいのかな。とりあえず肉? 娘の話では、「よく食事を残すけれど、嫌いというわけではないので気にしないで」とのこと。無難にハンバーグにしてみました。娘からはお友達の写真が送られてきました。私はお友達の名前を書いたプラカードを作りました。お姉ちゃんに今日は早く帰って来れない?と聞いてみましたが、無理、とのこと。あああああん。どうしようどうしよう。
しかし、なるようにしかなりません。意を決して空港に向かいました。ボードで彼女の乗った飛行機が到着したと表示されました。その表示が「通関中」と変わりました。ああ、もうすぐ出てくる。私は出口の一番前で、プラカードを胸に掲げ、彼女が出てくるのを待ちました。そしてようやく、金髪の女の子が現れました。私は一目で彼女とわかりました。彼女も私のプラカードを見て、すぐわかったようです。近づいてきて「How do you do?」「Nice meet you.」…さあ、それから、長い長い一日が、始まりました。








































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